ローマ ビーチFM 今日の日記から
この春先は幼なじみのテンペラ画家の友人とローマへ行って参りました。絵画は日本に運ぶことができますが、教会の天井画、壁画、彫刻は無理です。今回はできるだけ教会や旧貴族の館を訪れました。今まで何度も来た場所ですが、頑固な画家の説明やら御意見を聴きながら鑑賞しますと違った見方ができるものです。さて、一週間以上も友人と寝起きを共にしていますと、日本では気づかなかったことが分かります。彼は朝昼晩と決まった時間に手のひら一握りの持病の薬を飲んでました。夕方になると足が痛むようで大好きな芸術鑑賞も困難になります。せっかくローマまで来て夕食を抜かすこともあります。銀座で待ち合わせて飯を喰ったり飲んだりするのとは勝手が違うようで、こんなに病気だっ たんだと初めて理解しました。旅行中、段々と「俺は介護人か?」と思うようになりましたが、これも人生です。それどころか今度はイタリア人の友人も突然急病にかかり入院してしまいました。翌日から毎日お見舞いに行くことになり、教会では彼の回復をお祈りしなければならないので美術鑑賞どころではなくなりました。ちょっと疲れた感じでローマから日本に帰ると中学時代からの友人から、自動車に轢かれて会社に行ってない、とのメールが届きました、、、。昔から私は自分の身の周りに起こる様々な現象について何かの真意や教訓を求めて参りました。しかし自分もふくめ50歳を過ぎて人間が老いて衰弱していくことについて、ミケランジェロやラファエロの描いた教会の天井画は未だに何も教 えてくれません。私が感じることは、その絵がただただ限りなく美しいということだけなのです。
by koyonagamura
| 2014-04-22 12:55
| ビーチFM今日の日記2012~