
オハイオ出身、ニューヨークで活躍するラッパーのデヴューアルバム。カニエ・ウエストのレーベル G.O.O.D.からリリースされました。「自分はこれを知らない、とか、これが苦手」ということを話のネタにするのは良くないよな、とは思うものの、でも、ヒップ・ホップとラップだけは苦手であります。僕の顔つきとか、体型とか、ファッションとか、何の関係もないし、いまさら50歳近いオジサンに、もっとラップを勉強しろって言われても無理だ。これだけは勘弁してくださいということもあるのです。もちろんCD屋に行ったらヒップ・ホップやラップのコーナーにも行きますが、でも、キラキラ装飾品をつけて腰下までだぶだぶのジーンズをおろした隣の青年を、ちらっと横目で見ながら 「やっぱり、ここは俺の世界とは違う、」と思ってしまうのです。まあ、となりの青年も僕のこと横目で見て「変なオヤジ、何でここに居るんだろう?」と思っていることでしょう。しかし時々、このジャンルの音楽にも感動するアルバムがあってキッド・カディは、そのうちの1枚です。おそらく彼の音楽の懐が深くってR&B やロックやポップや色々なエッセンスが含まれていて、向こうから僕に近づいてきてくれるからでしょう。カニエ・ウエストが絶賛するのもよく分る2009年ブラック・ミュージックの趣のあるディープなアルバムだと思います。