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SHONAN BEACH FM -NAGAMURA KOYO 長村光洋

湘南カチート 水曜23時 JUKEBOX 金曜17時 N盤アワー 月曜23時 のブログです。
CHEAP TRICK
CHEAP TRICK_c0198594_12161975.jpg今の日本の若者が、どれだけ自分の感性に自信をもっているか、もう50に近い私には分かりませんが、かつて日本の若者の敏感なるセンスが世界のロック界を先導した時代があった。70年代のクイーン、チープ・トリック、ジャパンの流れがそれで、まず日本で火が付いて、それが世界的人気に広がっていく、そんな時代があった。とはいえ当時、男子中学、高校に通う私は、主にピンク・フロイド、クリムゾン、からツェッペリンやパープルのレコードを小脇に抱えて歩いていたので(もちろんバイナルの袋に入れて)女子学生が「きゃ~きゃ~」叫んぶクイーン等の台頭についてはケムたく感じたものだった。「なんだよ、クイーンなんて聴きやがって、お前、女か?」なんて平気で友人に言っていた。(当時フレディのゲイ発言はなかったが。)感性が足りなかったし、頑固なガキだったのだろう。今は若気の至りだったと反省している。あの時代を振り返れば、これは音楽や若者の文化のみに限ったものではなく、70、80年代に経済先進国となった日本全体の時代背景によるものだったのかもしれない。リック・ニールセンはそんな時代に、たまたま日本に来てしまったラッキーな人間だ。1948年生まれの彼は60年代の終わりから音楽活動を開始していたが経済的には失敗していた。その後、チープ・トリックのデヴューアルバムが日本でバカウケし、78年の「武道館ライヴ」へと繋がっていく。 このライヴでの奇跡は日本のファンのおかげもあると思うが、何と言っても成功の一番のポイントは下積みの時代に年間100回を超えるライヴを小さな会場でこなしてきたことだと思う。何年も前から誰も知らないところで、実は神様がお膳立てをしていたのだ。(カサブランカから出たエンジェル等、二匹目のドジョウで消えたバンドは数多い) さて、日本での成功を皮切りにチープ・トリックは世界的バンドへと躍進したわけだが、これも80年代までの話で、私もその後の活動を追っていたわけではない。ベスト・アルバムを聴いて、「やっぱり70年代が良いな」なんて感じていた位だ。 今年はチープ・トリックの武道館30周年記念の武道館ライヴが開かれ、往年のファンが大挙押し寄せたのだが、私は怖くて行けなかった。学生時代の同窓会に行ったら女しか来てなかった、みたいな気がしたから、、。(実際には、そんなことなかったみたいだけど、、。)これは、さすが企画力の優れた呼び屋さん、といった感じで大成功だったようだ。そこで、この「新作」である。武道館の運気がよっぽど彼らに良いのか、好調運が訪れているのか、これが素晴らしいロックン・ロールに仕上がっている。サマフェスで再度30年後の日本の若者にも聴いて頂きたいようなノリだ。アメリカで彼らが、どのように思っているのかは知らないが、太平洋を渡った反対側から見ると、日本で始まって、日本人の夢物語を作ったバンド、チープ・トリックの「甘い罠」は、いまだに我々の心を虜にしている。
by koyonagamura | 2009-07-31 23:55 | 09年CD (A~I)
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