SHONAN BEACH FM -NAGAMURA KOYO 長村光洋

湘南カチート 水曜23時 JUKEBOX 金曜17時 N盤アワー 月曜23時 のブログです。
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私は東京の柳橋という下町で生まれました。柳橋の朝は相撲部屋の稽古と共に始まります。集団登校で学校へ行く途中、「バシッ」という四股を踏む音を聞き、思わず背筋をぴんと伸ばしたり、髪に付ける椿油の匂いに学校では勉強できない別世界を感じたものでした。家の斜め前には高砂部屋があって三代目朝潮太郎は学校の先生よりも偉いのだと尊敬していました。別世界といえば、この街は江戸前の料亭が軒を連ね夕方にもなりますと芸者さんが人力車に乗って御仕事に出かけるんです。そんな風情のある光景も、そして彼女達の付けていた白粉の香りもしっかりと心に焼き付いてます。友達の家に遊びに行ったら御母さんが芸者さんで、鏡を前に長襦袢姿で化粧しているものだから、それを見て子供ながらに思わず生つばをゴックンなんてことは日常茶飯事でした。有名なプロ野球の選手が遊びに来たという噂を聞いて近所の子供と見に行ったりしたこともあります。実際に会ったことはないんです。子供の相手をするような場所じゃありませんから。黒塗りの大きな車の脇の道端に腰掛けて「俺もいつか野球の選手になって、とりあえずここに来て飯でも喰うか。」と夢をみたものです。三味線や鼓、小唄の調べが漂い街全体を包み込むと、そのうち子供達は眠りについて、朝になるとまた相撲の稽古が始まりました。60年代も後半になると隅田川の汚染が進み、また堤防も造られて川沿いの料亭と芸者さんは姿を消していきました。国技館が蔵前から両国に移り相撲部屋も引っ越してしまいました。高度成長期にのって物は豊かになれど心は戦後の焼け野原、私の屈折した性格はここから始まったのかもしれません。この街で一番の思い出は、この芸者さん達も一緒に楽しみました夏の盆踊りであります。私のお気に入りは「三味線ブギウギ」という曲で、このレコードが流れると心を弾ませ飛び跳ねるように踊りました。この歌は服部良一が戦前より絶大な人気を誇った唄う芸者・市丸の為に作曲したもので、市丸はこの柳橋に自宅をもっておりました。中学に進みますと、私も一端のロック少年へと変わっていきますが、今でもパープルやゼッぺリンより、笠置シヅ子にロックの魂を感じるのであります。
この番組タイトルの「湘南カチート」はナット・キング・コールの歌からとったもので、いつまでも少年のように遊び心を忘れぬ中年叔父様の意味だそうです。褒められてんだか貶されてんだかわかりませんが、私のような道楽好きにはピッタリのネーミングかもしれません。三つ子の魂、百までもと申しますが、とにかく番組担当の御指名を頂き光栄に思います。番組の内容は戦前からのJAZZ歌謡、二村定一、エノケン、ディック・ミネから笠置シヅ子、美空ひばり等、昭和を代表する歌手を中心にJAZZYな雰囲気の中で特に日本語の歌詞の「美」「笑」にこだわりながら懐かしの音楽をお届けするものです。日曜の夜、タイムトンネルのテーマと共に皆様をお待ち申し上げております。一緒に懐かしの音楽の旅に出かけましょう。最後になりますが、貴重な音源を提供してくださいます瀬川さん、保科さんはじめ音楽研究家、蓄音機愛好家の皆様に感謝を申し上げます。特に毛利さんにつきましては、その著書「ニッポン・スウィングタイム」「砂漠に日が落ちて」のみならず直接の御指導を頂き有難く思っております。
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by koyonagamura | 2012-07-18 08:08 | ビーチFM今日の日記2012~
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