TETE
1975年セネガル人の父とフランス海外県マルティニーク出身の母との間にダカールで生まれ,二歳の時に母とフランスに移住した。マルティニークは今は亡きカリブ先住民族の間で「花の島」 と呼ばれ,近代にはゴーギャンが絵画を, 小泉 八雲も滞在中「真夏の熱帯行」等の作品を残している。戦前はクリオール文化から生まれた「ビギン」という音楽がパリを中心に流行った。父方のセネガルなど西アフリカには古来よりグリオと呼ばれる伝承音楽家があり,文字の存在しない文化の継承を音楽によって行ってきた。 最近のポピュラー音楽ではユッスー・ンドゥールが有名だ。テテが音楽活動を始めたのは15歳の時,母からギターを贈られたことに始まる。1998年のパリの地下鉄、バーでの弾き語りからスタートし,2001年にデヴュー,2004年の2ndでは仏版グラミーにノミネート,3rdでは仏ゴールド・ディスクを獲得,そして今作が4枚目になる。前作までは,やさしくって,メローだった印象があるが今作は演奏が重くてシャープ,歌も力強い。アメリカ合衆国はオレゴン州ポートランドでの録音が良い結果を生んでいる。よりオーソドックスなブルース,フォークとポップなメロディー,そして彼のフランス語とのバランスが心地よい。対訳がないので,今の処,何言ってんだか?全然わからないのであるが,元々特異な集団行動をとる動物レミング(北極たびねずみ:みんなで崖から飛び降りることで有名)の生態と人間の行動を重ねながら歌詞を作っていく姿勢(本当か知らないし,今でも,そうやって歌作っているのかも不明だが、、、)で知られた彼である。今度,歌詞の方もちゃんと読んでみたい。とりあえず演奏と歌のメロディにはウ~ンと唸っちゃう良作と思います。オーガニックな健康に良いフレンチ。
by koyonagamura
| 2010-03-08 10:53
| 2010アルバム紹介1-3月